
2025年1月より約8ヶ月間というロングスパンにてお手伝いをさせていただいた新設部署立ち上げプロジェクト。
2025年10月より、新設した「インサイドセールス部」を含む新体制もスタートすることができ、新たな兆しも見えてきました。
プロジェクト責任者の小島様とともに、本プロジェクトを振り返ります。
▼ステップ1:現状把握
・全体把握
・把握すべき項目の洗い出し
・各部署の現状把握
・現状整理/アウトプット
▼ステップ2:課題設定起案
・課題設定資料作成
・組織長事前合意形成
・打ち手の社内起案
▼ステップ3:打ち手の起案
・業務フロー設計
・Salesforce設計
・採用活動
・研修制作
▼ステップ4:来期計画起案
▼プロジェクト全体設計
・WBSの設計
・週1回の定例ミーティング
▼業務要件コンサルティング
・業務要件/ポジションの言語化・補助
▼プロジェクト起案資料作成
・社内起案に必要な資料作成・補助
▼CRM基盤整備
・社内コミュニケーションの再設計
・各種ツールの接続
▼採用活動アドバイス
・採用募集原稿の修正
・採用時期/雇用形態のアドバイス等

2018年に設立した比較的若い会社で、調剤薬局向けシステムのベンダー事業を展開しています。
その中でも主力商材が「CARADA 電子薬歴 Solamichi」です。
電子薬歴とは、電子カルテのように、薬剤師が患者に対してどのような服薬指導を行ったかを記録するシステムです。
当初はこの電子薬歴のみを提供していましたが、現在では、LINEを活用したお薬手帳機能や、スマートフォンで薬剤を撮影して監査する機能など、オプションサービスの拡充も行っています。さらに、薬剤師向けの教育研修サービスまで事業を広げています。
調剤薬局のDX化支援を通じて、「ハートフルな薬局」を支えていきたいという思いのもと、事業領域が拡大してきています。


「ハートフルな薬局」とはどのようなものでしょうか?
多くの方にとって「薬剤師」といえば、クリニックの前にある調剤薬局で処方箋を出し、薬を受け取るだけの存在というイメージがまだ強いと思います。しかし、国としても弊社としても、そうした役割だけの時代はすでに終わりつつあると考えています。
例えば、薬剤師の服薬指導1つで患者様の検査値に影響を及ぼすといった論文もあります。
結果として、生活習慣病の予防や早期発見につながり、健康寿命の延伸にも貢献できると考えています。
私たちは、そのように「薬を渡すだけではない薬局」を体現していきたいと考えている薬局様をDXの領域で支援していきたいと考えています。
そのためソラミチでは、紙のカルテやデータを電子化し、業務効率化を進めることで、薬剤師が患者と向き合う時間を確保できる環境づくりを実現することを目指しています。

現在、4,000店舗以上の薬局様にご利用いただいていますが、営業および顧客フォローは、カスタマーサクセス部を含めた約15名で担当しています。
その中で、これまでお付き合いがなかった大手チェーン薬局様との取引が始まったことで、既存顧客に対する定期的なモニタリングや、深夜帯も含めたフォローアップなど、「人材リソース」に関する課題が顕在化してきました。
特に、全国に点在している小規模の薬局では、距離の問題からリアルタイムのサポートが難しいケースもあります。また、メールよりもFAXが主流といった状況もあり、オンラインでのコミュニケーションに慣れていただく必要も感じていました。迅速なフォローアップを継続していくためにも、新しい仕組みを構築しなければ、弊社側の物理的な限界が見えていた状況でした。
通常であれば人員を増やす選択肢もありますが、代表は既存社員の生活や働きやすさを第一に考える人物であり、安易な増員ではなく、システムや仕組みに投資することで、既存社員のスキル向上やキャリアアップにつなげたいという考えを持っていました。
そこで、自社セミナーにおけるリード育成(ナーチャリング)の仕組み化も含め、クライアントをグルーピングし、フォロー体制や役割を整理し、会社全体の生産性向上を目指すプロジェクトとして、インサイドセールス部の立ち上げに至りました。

そこで、haco.にお声がけされた理由は何だったのでしょうか?
当時の弊社営業部長が、前職の人材業界時代に和田さんと面識があり、ご紹介いただいたのがきっかけです。
和田さんの前職であるリクルートは、役割分担や組織設計が非常に洗練されており、それを継続的にアップデートしている会社だと思います。
本部機能(企画)から現場まで含めて実行力があり、細部の地方組織まで現場を動かす力のある方だと伺っていました。
ソラミチで目指していたインサイドセールス組織の立ち上げにおいて、まさにご経験が合致していると感じ、ぜひ力をお借りしたいと思い、お声がけしました。
大きく2つありました。
1つ目は「オンライン運用」についてです。
今回の取り組みは、ソラミチシステム単体だけでなく代理店様も含めた話になるため、オンラインへの変化について、関係者全体がついてきてくれるかどうかに不安がありました。
2つ目は、「組織立ち上げという大きなプロジェクトの進行経験不足」です。
私個人としても、会社としても、WBSを引いて半年以上かけてプロジェクトを推進した経験がなく、正直なところ未知数の部分が多くありました。
ただ、今回の取り組みを通して、プロジェクトの立て方や進め方を学ぶことができました。その結果、今後は新しいプロジェクトが立ち上がった場合でも、社内で主体的に進められる状態になってきたと感じています。社内のケイパビリティが高まったのは大きな成果だと思っています。
これまで営業組織にいた経験もあり、自分なりに課題は把握しているつもりでした。また、社内SFAを運用していた経験もあったため、そのあたりの実態も分かっていると思っていました。
ただ当時は、一部のメンバーへのヒアリングだけで進めていたんです。
今回のプロジェクトでは、和田さんから「関係者全員に均等にヒアリングをしましょう」という提案をいただき、若手からベテランまで全員にヒアリングを実施しました。
その結果、役職によって物事の捉え方が大きく異なることや、想像以上に業務が属人化している部分があることに気づくことができました。
今後、クライアント規模別に営業組織を構築していく中で、引き継ぎやシステム化が必須になるため、早い段階でこの課題に気づけたのは非常に良かったと感じています。

一番大きかったのは「基盤づくり」です。
インサイドセールス部の立ち上げ有無にかかわらず、一度、顧客情報をすべて可視化し、データをきちんと整備する必要があると感じました。
これまで部署横断で顧客情報を整理することがなかったため、どの部署がどの顧客を担当し、どのようなステータスで、どのようなフォローを行っているのかを、各部署に協力してもらいながら洗い出しました。
この作業によって初めて、具体的な打ち手を検討するための土台ができたと実感しています。

全部署横断の業務フロー図をhaco.にて作成させていただきました。
印象はいかがでしたか?

実は、自分自身も全部署横断の業務フロー図を見たのは初めてでした。マネージャー陣も、それぞれ問題意識を持っていたとは思いますが、言語化されないまま属人的な認識の中で進めていた部分が多かったのだと思います。
全社横断の業務を可視化し、一元化できたことで、「現場にどう落とし込むか」という具体的な議論にスムーズに入ることができました。もし可視化できていなかったら、あちこちから個別の質問や意見が出て、収拾がつかなかったと思います(笑)。
Salesforceなどのツールはある程度触っていたので、自分では理解しているつもりだったのですが、各動線に関してそこまで細かく設計できていなかったことに気づきました。
haco.の皆さんからは、
●利用者が画面を開いた瞬間に「やるべきこと」が分かること
●遷移先リンクは一か所に集約し、利用者が迷わない導線にすること
など具体的なアドバイスをいただき、UI設計の観点が大きく変わりました。
また、新しい施策を導入するときに「現場で起こりうるハレーション」について事前に教えていただいたことも印象に残っています。
「この変更をすると、現場ではこういう声が出る」「一週間後にはこういう問題が起こりやすいから、事前にこう準備しておきましょう」といったリアルな助言は、とてもありがたかったです。
「リスクを事前に考える視点」は、今後の企画業務にも活きると感じています。
半年以上かけて準備してきましたが、実際に動かすと、想定外のことも当然起こります。
例えば、カスタマーサクセス部が担当していた顧客をインサイドセールスに引き継ぐ際、会社の事情で2~3日で移管を完了しなければならないという急な判断があり、現場が混乱する場面もありました。
どれだけ準備しても何かは起こるものなので、「起きないように準備すること」と同時に、「起きたときにどうリカバリーするか」「そこからどう改善するか」という思考を回していくことが大切だと改めて感じています。
インサイドセールスでは、業務委託で5名テレアポスタッフに稼働いただいていますが、セミナー後のアポ取得率は、想定では2〜3%程度だったところ、実際には6〜7%と大幅に向上しました。セミナー運営に関わる社員にとっても、大きな励みになっています。
ただし、業務委託という形のため稼働時間に制限がある点は、今後の検討課題になっています。
日々改善の余地があり、組織が良くなっている実感があるので、非常にやりがいのある取り組みだと感じています。

インサイドセールスの取り組みを起点に、「CARADA 電子薬歴 Solamichi」以外の商材についても、より多様なアプローチ方法を検討していきたいと考えています。
代理店連携の強化・進化のための仕組みの構築も今後のテーマです。
また、企画部内でも振り返りやチェック機能を強化し、各メンバーの担当領域や役割分担をより明確にすることで、企画部としての全社的影響力をさらに高めていきたいと考えています。
最終的には、情報の流通や仕組みを整えながら、「ソラミチの輪」を広げていきたいと思っています。

私自身、企画職になってまだ2年弱ほどで、これまでにも数回コンサルタントに入っていただいた経験はありますが、その中でも今回のプロジェクトは、非常に絶妙な距離感でご支援いただいたと感じています。
私たちに考える余地を残しながら、思考のヒントを与えてくださる形だったので、自分たちの力で進めている実感もありましたし、企画職としてのトレーニングにもなりました。
また、haco.の皆さんのこれまでのご経験に基づいたリアルな仮説は非常に役立ちました。
「現場でこういう反応が出る可能性がある」「この部署には先に根回ししておいた方がよい」など、実務レベルでの助言をいただけたのは、大きな価値だったと感じています。
企画として様々な取捨選択や意思決定を求められる中で、重要な判断軸にもなりましたし、大変ありがたいサポートでした。
組織づくりの取り組みは、「取り組みの実施完遂」ではなく、「取り組みを通して組織力が上がること」が重要だと考えています。本プロジェクトでは、インサイドセールス組織を新設するにあたり、何を・誰が・どこで・どんなことを検討し、経営合意と現場合意を得ながら進めていくべきかのプロセスそのものが最重要だと置き、組織ケイパが上がることを目指して伴走をさせていただきました。仮説を立て、現場の声を拾い、リスク想定やトラブル想定をどの粒度で行っておくか、などを密に対話しながら、組織始動時にスタートダッシュを切れる形を模索してきた結果、とても良いスタートが切れていると聞いて嬉しい限りです。組織づくりが「一度で最高」になることはありませんが、今回の取り組みを通してソラミチシステム様の企画組織が強くなり、今後の事業運営を力強く牽引していってくださることを期待しています。

